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変化を楽しむ人々〜クロストーク〜

クロストーク #03 
先輩×後輩 教育担当者制度座談会

教えられた新人が
飛躍し、
教えた先輩も殻を破る。

丸千千代田水産ではすべての職種において、入社から1年間にわたって新人一人に同じ部署の先輩が専任で付き、継続的に指導を続けるという「教育担当者制度」があります。この制度はどのように機能し、どのような成果をもたらしているのでしょうか。そこで、営業職と事務職からそれぞれ1組ずつに「教育担当者制度」の意義についてお聞きしました。

S.H
塩干二部干魚一課
2019年入社

S.H
塩干二部干魚一課 2019年入社

入社1年目。食品関係の仕事がしたいと考え丸千千代田水産に新卒入社。指導担当のT.Nとは住んでいる寮が同じで、趣味やプライベートの話もよくするようになったと言う。

T.N
塩干二部干魚一課
2014年入社

T.N
塩干二部干魚一課 2014年入社

入社6年目。まったくの異業種から転職し丸千千代田水産に入社。現在は全国の水産メーカー様から水産加工品を買い付けし、主に関東圏のスーパー様・量販店様に提案する業務を担当。

1

二人の仕事内容と
出会いについて教えてください。

干魚一課は全国の水産メーカー様から水産加工品を買い付けし、主に関東圏のスーパー様・量販店様へその商品を販売していますが、最近はホテルやレストランなど飲食関連のお客様が増えています。また、海外マーケットにも注視し、ワールドワイドに営業を行っています。その中で、私たち2人はエビ原料やエビ加工品をメインに扱うチームに所属しながらもお客様の要望に応じて多彩な商品を取り扱っています。
S.Hくんとは同じ独身寮に住んでいますし、彼が配属される前に行った新人歓迎会で既に会話をしていました。第一印象は、新人の割には落ち着いた印象で成長の伸びしろを感じました。その後、私が彼の指導担当を任されることを上司から聞きました。
私もT.Nさんと初めて話した時のことを覚えています。会話を弾ませるのが上手で人と人との距離を縮めるコミュニケーションの上手い方だと感じました。ですから、自分の指導担当がT.Nさんに決まったと聞いた時は安心しました。
私たちの課には、水産加工品をオールマイティに何でも幅広く取り扱えるという特色があります。一方言い換えれば、たくさんの数の商品や多彩な仕入れ先とお客様を知る必要があり、大変さがあるとも言えます。仕事上で覚えなければならないことがたくさんあるのです。一人前として認めてもらうまでには時間もかかるでしょう。しかし、そのハードルを乗り越えると面白さが見えてきます。

2

OJTでどんな事を
教えてもらっていますか?
そして、この制度によって
何が得られますか?

商談の現場には何度も同行・同席させてもらいましたが、最初はそれこそ何も分からなくて、商品を覚えるだけでも必死でした。T.Nさんに質問を重ねて何とか売れ筋の商品を幾つか覚えても、自分に相場感覚がない上に仕入れ値も売り値も日々変動する為、実際にお客様に商品を売るということは、難しい仕事だと感じました。それなのに、T.Nさんはお客様から商品の情報や仕入れ状況について何を聞かれても、スラスラ出てくるのが凄いと思いました。そして、ガムシャラに付いていけば自分にもできるはずだと考えていました。
商品には相場がありますし、お客様によってもニーズは異なるので、個々の商談の席で営業社員はどのように対応したら良いのか、その感覚をつかむのは少し難しかったかもしれません。
それでも夏を過ぎた頃には、基本的な仕事の進め方を覚えてお客様先にも単独で行けるようになれたのは、T.Nさんの教え方のおかげです。T.Nさんは、分からないことを聞けば、答えや結論だけではなくその前後の背景までしっかりと教えてくれました。「話の流れがこうだからこう判断したら良い…」などと、順を追って分かりやすく説明してもらえたので、仕事の全体像を覚えやすく助かりました。
また、この1年を振り返ってみても、「教育担当者制度」があって本当に良かったと思います。新人は不安いっぱいで4月に配属されるのですが、この制度があるおかげで指導担当の先輩にはいつでも気軽に質問できるので、それだけでも大きな安心に繋がりました。

3

指導にあたって
何に気をつけていますか?
また、指導を通して自らも
得られることを教えてください。

この役割を担うことが決まった時、私は本人のモチベーションを下げるような教え方はしないように心に決めました。例えば叱るような教え方をすれば、本人が萎縮をしてそれ以降は質問がしにくくなると考え、風通しの良い先輩と新人の関係でありたいと思いました。
また、質問をされた時に順を追って解説することを意識したのは、自分たちがどのような役割を担っているのかを理解してもらいたかったからです。水産業界ではマーケットの動向やニーズ、課題などが変わり続けます。商流の川上と川下を結ぶ私たち卸売業者は、それに合わせて新しい売り方や商材、課題解決方法を探していかなければなりません。この重要な役割を担っていく為のスキルを基本から身に付けてもらいたかったのです。
指導を始めてから1年近く経ちましたが、S.Hくんは期待以上に成長したと感じています。実際にスーパー様・量販店様など川下のお客様側への対応はけっこう任せられるようになり、私の仕事の負担が減って助かっています。後輩を指導して成長を導くことは、チーム作りそのものなんだなと、改めて思います。川上のメーカー様側への対応はこれからじっくりと教えていこうと考えています。
まだまだ勉強しなければなりませんね。ここまで、本当にありがとうございました。これからも同じチームなので、引き続き指導をよろしくお願いします。
こちらこそ。一緒に頑張ろう。

N.O
営業推進課 2019年入社

N.O
営業推進課 2019年入社

入社1年目。発注処理に加え、市場に届いた商品と納品書の内容が一致しているかどうかを調べるチェック業務なども任されるようになった。

Y.O
営業推進課 2016年入社

Y.O
営業推進課 2016年入社

入社4年目。現在は営業推進課で、営業社員が受けた注文やお客様からファックスで送られてくる注文をPCに入力し、メーカー様へ発注する業務を担当している。

1

二人の仕事内容と
出会いについて教えてください。

私たちが配属されている営業推進課の主要業務は、営業社員がお客様から受けた注文を整理し、その日の締めの時間までにPCに入力することによって発注処理を終わらせることです。商品やメーカー様によって締めの時間が異なるので、受注の順番に行うのではなく、発注処理を行う順番を見極めながら入力を進める必要があります。そうしてスムーズに発注業務を終わらせることが求められます。
Y.Oさんに初めてお会いしたのは、配属前の面談の時で少しだけお話をさせてもらいました。Y.Oさんの第一印象は、優しそうな雰囲気でそれは指導して頂いた1年近く経った今でも変わりません。
N.Oさんの指導担当を任されることになり、最初は大人しくて真面目なタイプに見えました。実際にそれは間違ってはいませんでしたが、お互いの距離感が近くなってくると、しっかりした面も持っていることに気付きました。忙しくてもあたふたしませんし、「未提出の経費伝票を早く出してください」といったように、営業社員に厳しく言うべきことをちゃんと言ってくれているようです。
Y.Oさんの普段の仕事に取り組む姿勢や、営業との関わり方を参考にさせてもらっています。Y.Oさんが営業社員に言うべきことを言っているのをみて、私もそうしているんです。

2

OJTでどんな事を
教えてもらっていますか?
そして、この制度によって
何が得られますか?

発注の入力作業などの進め方について、丁寧に教えてもらいました。入社したばかりの頃は右も左もまったく分かりませんでした。慣れるまでは大変でしたが、Y.Oさんはしっかりと見てくれていましたし、迷った時にどうしたら良いのかすぐに聞くことができたので、秋に入る頃には毎日の仕事にも慣れてきました。とにかく、入社からしばらくは仕事を覚えるのに必死でしたが、Y.Oさんが常にそばにいることで安心できました。
この仕事は様々なお客様やたくさんの商品の名前など、覚えなければならない知識がたくさんあります。受注内容を入力したデータがどのようにメーカー様に届き、次にデータを受け取ったメーカー様がどう動いて、豊洲まで商品が運ばれるのか、その仕組みを知っておく必要もあります。それらを最初から詰め込むように教えても、覚えきれません。まずは作業に慣れてもらい、次にその作業の意味を教えるようにしました。
そんな配慮があったとは気が付きませんでした…。でも、確かに入力作業の進め方を覚えてから説明があったので、分かりやすかったですね。それに基本的なやり方を私がきちんと覚えてから、作業全体の時間短縮につながるノウハウを教えてもらえたので、段階を重ねながら仕事を確実に覚えることができたと思います。今は、日々このような仕事の改善ポイントを教えてもらうことが多く、仕事のスピードも上がり、自分でもこの1年でかなり成長できたと感じています。

3

指導にあたって
何に気をつけていますか?
また、指導を通して自らも
得られることを教えてください。

私も3年前に教育担当者制度で先輩から指導してもらったおかげで今の自分があると思っているので、できるだけN.Oさんの為になる指導をしようと思いました。そこで最初に、いつまでに何ができるようになって欲しいのかという観点と、最終的に業務全体の流れを把握してもらうことを目標に、1年間にわたる指導計画を立てました。でも、人によって分かりやすいところと分かりにくいところは異なります。そこで、N.Oさんの理解度を見ながら柔軟に指導計画を進めようと考えました。
そして、指導していくうちにN.Oさんが私の新人の頃に似ていることに気付きました。一見、冷静なようで実は内心で焦っている一面があり、なかなか質問を言い出せなかったりすることがありました。N.Oさんがそうした状況にあることを気付いた時は、先回りして教えてあげるようにしています。
的を射たアドバイスやタイムリーなフォローが本当に多かったです。そこまで気に掛けてくれて、この1年本当にありがとうございました。
いえ、お礼を言うのは私の方かもしれません。私がN.Oさんの指導担当を務めるにあたり、しっかりと教える為に今一度営業推進課の業務全体を俯瞰して見たら、課題がたくさん見えてきました。そして、教えることで業務全体の理解が深まったのか見つかった課題の改善策を以前に比べて積極的に上司や先輩に提案できるようになりました。教育担当者制度は、指導担当にとっても気付きが多く、成長を引き出す制度なのだと実感しています。